前橋地方裁判所高崎支部判決 平成16年9月17日

       主   文

 1 被告は,原告X1に対し,金2億2859万5868円及びこれに対する平成11年11月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。  2 被告は,原告X1に対し,金452万4657円を支払え。  3 被告は,原告X2及び原告X3に対し,それぞれ金330万円及びこれに対する平成11年11月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。  4 原告のその余の請求を棄却する。  5 訴訟費用は,これを20分し,その1を原告X1の負担とし,その余は被告の負担とする。  6 この判決は,第1ないし第3項に限り,仮に執行することができる。

       事実及び理由

第1 請求  1 被告は,原告X1に対し,2億4385万8219円及びこれに対する平成11年11月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。  2 被告は,原告X1に対し,452万4657円を支払え。  3 被告は,原告X2及び原告X3に対し,それぞれ330万円及びこれに対する平成11年11月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要    本件は,後記1(1)アの交通事故(以下「本件事故」という。)により負傷した原告X1(以下「原告X1」という。)が,事故当事車両の運転者である被告に対し,不法行為による損害賠償請求権に基づき2億4385万8219円及びこれに対する不法行為の日(事故日)である平成11年11月2日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金並びに被害弁償がされた損害分(3000万円)について生じた前同日から同被害弁償時である平成14年11月6日まで(1101日間)の同割合による遅延損害金452万4657円の支払を求め,原告X1の父である原告X2(以下「原告X2」という。)及び母である原告X3(以下「原告X3」という。)が,被告に対し,本件事故により生じた精神的損害等につき,不法行為による損害賠償請求権に基づき330万円及びこれに対する不法行為の日(事故日)である平成11年11月2日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。  1 前提事実等(いずれも当事者間に争いがない。)   (1) 事実関係    ア 本件交通事故の発生      平成11年11月2日午後7時35分ころ,次の交通事故(本件交通事故)が発生した。     (ア) 場所 群馬県太田市西矢島町636番地の2先道路(以下「本件事故現場」という。)     (イ) 当事車両 ① 被告運転,原告X1同乗の自家用普通乗用車(登録番号・群馬○○め○○○○,以下「被告車」という。)              ② A運転,同人所有の自家用普通乗用車(登録番号・群馬○○ま○○○○,以下「A車」という。)     (ウ) 事故態様 路外施設に入るため本件事故現場を右折進行した被告車と同車の対向車線を直進進行してきたA車が衝突した。    イ 原告X1は,本件事故により脳幹挫傷の傷害(以下「本件傷害」という。)を負い,次の入院(以下「本件入院」という。)をして同傷害の治療及びリハビリテーションを受けた。     (ア) 総合太田病院 平成11年11月2日から平成12年2月28日まで     (イ) 国立身体障害者リハビリテーションセンター病院(以下「国立リハビリ病院」という。)平成12年2月28日から同年9月8日まで     (ウ) 埼玉県総合リハビリテーションセンター(以下「埼玉リハビリセンター」という。)平成12年9月28日から同年12月21日まで     (エ) 神奈川リハビリテーション病院(以下「神奈川リハビリ病院」という。)平成13年2月2日から同年5月23日(症状固定日)    ウ 原告X1は,前記イの治療等を受けたが,平成13年5月23日,症状が固定し,後遺障害等級1級3号に相当する知能低下,記憶力低下,両側前頭葉の萎縮を内容とする高次脳機能障害及び左片麻痺,両上下肢の失調症状を内容とする四肢体幹機能障害(以下,併せて「本件後遺障害」という。)を後遺した(本件事故日から症状固定日までの期間・569日間(内入院日数508日))。    エ 原告X1は,平成14年11月6日,本件事故に関する損害につき,自賠責保険金(後遺障害分)3000万円の支払を受けた。    オ 原告X2(昭和26年○月○日生)は原告X1(昭和55年○月○○日生)の父であり,原告X3(昭和31年○月○○日)は原告X1の母である。   (2) 被告の責任     被告は,被告車を右折進行させるにあたり,対向車線の車両の動静に注意し,安全を確認すべき注意義務があったが,これを怠り,被告車を右折進行させて本件事故を惹起させた。     したがって,被告には,本件事故により原告らに生じた損害を賠償すべき責任がある。  2 争点及びこれについての当事者の主張   (1) 争点     本件事故により原告らに生じた同事故と相当因果関係にある損害   (2) 当事者の主張   (原告ら)    ア 原告X1の損害     (ア) 治療関係費 合計674万0580円      a 治療費 精算済み      b 入院雑費 76万2000円        入院雑費は日額1500円が相当であり,入院期間は508日間である。          (計算式)1,500円×508日=762,000円      c 通院交通費 46万2760円        後記dの付添看護のための近親者交通費を含む。      d 付添看護費(症状固定前) 455万2000円       (a) 原告X1は本件事故により重篤な傷害を負い,そのために同事故発生日から症状固定時まで付添看護を要し,原告X3が付き添った。         原告X1は,総合太田病院において25日間意識不明の状態にあり,その間,食事介助等の介護はされていない。しかし,原告X3及び原告X2が原告X1に対してマッサージをするなどの身体的刺激を与え,あるいは音楽をかけて感覚的刺激を与えるなどし,呼びかけを継続したため,原告X1の意識が回復した。したがって,総合太田病院における原告X3,原告X2の付添いは,原告X1の救命のためにも必要であったといえる。         意識回復後の各リハビリ病院においても,原告X3は,毎日,原告X1に付き添った。原告X1は,食事も当初は全介助であり,徐々に半介助になったが,介助を必要としないところまでは回復せず,付添看護が必要であった。また,原告X1は,高次脳機能障害のため,自分に必要なことを判断し,それを自発的に他者に伝えることができないため,付添看護が必要であった。       (b) 付添看護料は,原告X1の病状が肉体的にも精神的にも極めて重篤なものであったことからいって,日額8000円とするのが相当である。         原告X1は,左手は麻痺し,右手は振戦によって自由に使えず,下肢は麻痺して歩行等は不可能であって,精神面においても重篤な記憶障害などの高次脳機能障害を抱えており,その知能レベルは四,五歳児程度である。しかも,原告X3は,原告X1が国立リハビリ病院及び神奈川リハビリ病院に入院している間,泊まり込みで同原告に付き添い,看護に当たり,その間,家事を行えないでいた。       (c) 原告X1の症状固定日までに原告X3が原告X1に付き添った期間は569日間であるから,付添看護費は455万2000円となる。          (計算式)8,000円×569日=4,552,000円      e 付添看護のためのホテル代 49万3420円        原告X1が群馬県太田市にある総合太田病院及び埼玉県上尾市にある埼玉リハビリセンターに入院しているときは,原告X2及び原告X3は自宅から付添いに通うことができたが,原告X1が埼玉県所沢市にある国立リハビリ病院及び神奈川県厚木市にある神奈川リハビリ病院に入院していたときは,自宅から同センター等に通うことができず,平日,原告X3がホテルに泊まり込む必要があった。なお,週末は,原告X2が原告X1及び原告X3を車で迎えに行き,同原告らを自宅に連れて帰り,週末を過ごさせた。      f リハビリ用器具等 47万0400円        原告X1は,リハビリを行うために平行棒を購入し,マット訓練の費用などを支出した。     (イ) 逸失利益 1億1519万1305円       原告X1は,本件事故時,□□大学1年次に在学中であったから,逸失利益算定の際の基礎収入額は平成13年賃金センサス男子大卒全年齢平均賃金である680万4900円によるのが相当である。       原告X1は,大学を卒業する22歳から67歳までの45年間就労することが可能であったが,本件事故により,同期間における労働能力のすべてが失われた。       原告X1は,症状固定時21歳であり,就労することができる時(大学卒業時)までは1年を要したから,中間利息控除は,67歳までの46年間のライプニッツ係数から22歳までの1年間のライプニッツ係数を引いたものになる。      (計算式)6,804,900円×100%×(17.8800-0.9523)=115,191,305.7円     (ウ) 将来付添費(介護料) 7945万5147円      a 原告X1の本件後遺障害は1級に相当するものであり,将来にわたり全面的な介護が必要である。すなわち,原告X1に生じた後遺障害(本件後遺障害)のうち,高次脳機能障害は,認知障害に関しては記憶障害,学習障害が高度で,遂行機能障害も高度ないし中等度に存し,人格変化については固執傾向が強く認められ,易怒性,感情抑制能力も相当程度の障害が存するものであり,極めて重篤である。      b 症状固定日まで毎日原告X1の介護にあたっていたのは母である原告X3である。原告X3は,本件事故前,特技である英語を生かし,週二,三回,1回あたり5時間程度,パートで英会話教室の講師をしていた。原告X3は,今後も週に二,三回程度は自らが身につけている知識,技術を生かして就労し,生徒とのふれあいを通して自己実現を図りたいと考えている。        そうすると,原告X3は,年間少なくても120日間程度はパートに出るから,残りの年間245日間は原告X3による近親者介護で足りるものの,年間120日間については職業人介護が必要となる。      c 原告X3は46歳であり,原告X1の介護をしていく十分な体力を有しているが,67歳に達する21年後には,原告X3も加齢による体力の衰え等により原告X1の介護を行うことは不可能になるから,21年後からは,原告X1には全日職業介護人による介護が必要となる。      d 介護料額       (a) 近親者介護         日額1万円とするのが相当である。       (b) 職業介護人による介護         原告らの自宅近くの△△家政婦紹介所のパンフレットによれば,次のとおり計算される。        ① 原告X3がパートに出る際の費用          パートの労働時間5時間に,通勤や準備等のための時間を考慮すれば,職業介護人の介護時間は7時間は必要となる。職業介護人の時間当たりの単価は,午前8時から午後6時までは1265円である。また,そのほかに実費として1000円程度の交通費が必要になるから,日額は少なくても9500円である。            (計算式)1,265円×7時間+1,000円=9,855円          また,原告X3はパートに出たとしても,その前後の時間は自ら原告X1の介護に当たるから,近親者介護料として2000円程度は必要である。          したがって,原告X3がパートに出る日の介護料は,職業介護料と近親者介護料の合計で,少なくても日額1万1500円である。        ② フルタイムの職業介護が必要となる21年目以降の分          午前9時から午後5時までの日勤に加え,朝食,夕食時の介護や入浴の介護も必要になることから,最低でも朝8時からの介護及び夜7時までの介護が必要になる。          そうすると,日勤分(午前9時から午後5時)と,その余の午前8時から午前9時及び午後5時から午後7時までの時間給で計算される介護費用は,日額1万3270円となる。         (計算式)8,855円+1,265円+1,575円×2時間=13,270円          さらに,交通費を考慮すると,フルタイムの職業人介護費用は,少なくても日額1万4000円である。       (c) 原告X1は症状固定時21歳であり,その平均余命は57.28年である。57年のライプニッツ係数は18.7605である。また,原告X3が年間245日間に限って介護が可能な21年間のライプニッツ係数は12.8211である。         したがって,症状固定後の介護料は,次の計算式により7317万2808円となる。        (計算式)(11,500円×120日+10,000円×245日)×12.8211+(14,000円×365日)×(18.7605-12.8211)=79,455,147円     (エ) 車椅子(2種類)及び歩行器代(いずれも将来分を含む。) 730万2470円       原告X1は,立つことはできるが,歩行はほとんどできないから,外出の際には車椅子が必要になる。また,屋内においても,基本的には車椅子での移動になるので,車椅子は室内用,屋外用の2台が必要である。この車椅子は,原告X1の体型に合わせる必要があり,オーダーメイドのものであり,1台46万4000円,耐用年数は3年である。       また,原告X1は,ごくわずかな距離であれば,支えがあれば歩行することができる。したがって,屋内での多少の移動(同じ部屋の中など)の際には歩行器を用いる。歩行器は,1台3万2700円であり,耐用年数は3年である。       さらに,原告X1が便所に行ったり入浴する際には,車椅子又は歩行器ではこれらの行動を行うことができないため,水まわり用車椅子が必要になる。水まわり用車椅子は,1台9万円であり,耐用年数は3年である。       3年ごとに要するこれらの費用の合計は105万0700円であり,耐用年数ごとにこれらを買い換えなければならないから,その費用は,3年ごとのライプニッツ係数(現価表)により,730万2470円となる(3年後から57年後まで)。     (計算式)1,050,700円×(1+0.8638+0.7462+0.6446+0.5568+0.481+0.4155+0.3589+0.3100+0.2678+0.2313+0.1998+0.1726+0.1491+0.1288+0.1112+0.0961+0.0830+0.0717+0.0619)=1,050,700円×6.9501=7,302,470.1円     (オ) 介護ベッド及び付属品代 149万3619円       原告X1には,体を起こすための介護用ベッド(30万円,耐用年数8年)及びマット(4万円,耐用年数3年)が必要であり,食事等のためにそれに付属するテーブル(4万8000円,耐用年数5年)も必要である。また,介護用ベッドにバー(4万円,耐用年数8年)をつける必要がある。       耐用年数ごとにこれらを買い換えると次の計算式により149万3619円となる。     (計算式)      a ベッドとバー       (300,000円+40,000円)×(1+0.6768+0.4581+0.3101+0.2099+0.1420+0.0961+0.0651)=340,000円×2.9581=1,005,754円      b マット(ライプニッツ係数は前記(エ)の車椅子のそれと同じ)        40,000円×6.9501=278,004円      c テーブル        48,000円×(1+0.7835+0.6139+0.4810+0.3769+0.2953+0.2314+0.1813+0.1420+0.1113+0.0872+0.0683)=48,000円×4.3721=209,860.8円     (カ) 自動採尿器 7万8000円       原告X1は,介助があれば便所で自力で排泄することが可能であるが,介助が間に合わないような場合に備えて,ベッドサイドに置く自動採尿器(7万8000円)が必要となった。     (キ) 住宅改造費 1051万3311円       原告X1の車椅子生活のために次の住宅改造を行った(乙5参照)。その費用は二千数百万円であるが,そのうち1051万3311円が本件事故と相当因果関係にある損害となる。      a 15畳の洋室設置,便所,シャワー室工事        原告X1が便所に行く便宜のため及びリハビリ用のスペース確保のために洋室を設け,そこに便所及びシャワー室を設置した(甲39。洋室内に便所及びリハビリ用平行棒が設置されている。)。      b 浴室・更衣室及び食堂の拡張        入浴の際の原告X1及び介護者のスペース確保のため,納戸であった部分を浴室に当て,浴室・更衣室の拡張を図り,これに伴い,従前の浴室をつぶして食堂を拡張し,食堂内に車椅子で移動できるスペースを確保した。      c 段差の解消,スロープ・手すりの設置及びアスファルト舗装        原告X1が家の中を車椅子で移動することができるようにするため,各部屋間の段差を解消し,廊下をフローリングにして,バリアフリー化した。        玄関から室内へは段差があるため,まず庭から玄関までスロープを設け,玄関内右手に原告X1の部屋につながるスロープを設けた。        また,玄関内の部屋まで続くスロープには手すりを設置し,玄関から出た後も庭を車椅子で移動できるよう,庭をアスファルト舗装した。      d 和室から洋室への変更        1階和室2部屋を,それぞれ洋室に変更した。本訴請求に係るものは,その工事費用のうち床の改修分のみである。     (ク) 慰謝料 合計3360万円      a 傷害慰謝料 360万円        本件入院期間が508日と長期にわたっていること,その他通院期間があることからすれば,傷害慰謝料は360万円とするのが相当である。      b 後遺障害慰謝料 3000万円        原告X1が21歳という若さで後遺障害等級1級の本件後遺障害を負ったことを考慮すれば,後遺障害慰謝料は3000万円とするのが相当である。     (ケ) 損害填補後の損害額合計 2億2168万9290円       原告X1は,同原告に生じた損害の填補として自賠責保険から3000万円(被害者請求),任意保険から268万5142円,合計3268万5142円の填補を受けた。       (計算式)254,374,432円(前記(ア)ないし(ク)の合計)-32,685,142円(填補金額合計)=221,689,290円     (コ) 弁護士費用 2216万8929円       原告X1は,原告ら訴訟代理人に対し,本訴に関する手数料及び報酬として前記(ケ)の損害額2億2168万9290円の1割に相当する2216万8929円を支払う旨約した。     (サ) 損害額合計 2億4385万8219円    イ 原告X2,原告X3の損害 各330万円     (ア) 慰謝料 各300万円       原告X1は本件事故により後遺障害等級1級という死にも比肩すべき重篤な障害を後遺し,その父である原告X2及び母である原告X3は多大な精神的苦痛を受けた。その苦痛を慰謝するための金額(慰謝料額)は,同原告らそれぞれにつき300万円とするのが相当である。     (イ) 弁護士費用 各30万円       原告X2及び原告X3は,原告ら訴訟代理人に対し,それぞれ本訴に関する手数料及び報酬として前記(ア)の損害額300万円の1割に相当する30万円を支払う旨約した。   (被告)    ア ア(原告X1の損害)について     (ア) (ア)(治療関係費)について      a a(治療費)が精算済みであることは認める。      b b(入院雑費)は1日につき1100円の限度で認める。      c c(通院交通費)は否認する。        後記dのとおり近親者による付添看護は必要でないから,そのための交通費は本件事故と相当因果関係にある損害とはいえない。      d d(付添看護料(症状固定前))は否認する。       (a) 原告X1は本件事故時から症状固定時まで,総合太田病院,国立リハビリ病院,埼玉リハビリセンター,神奈川リハビリ病院に入院している。これらの治療機関において作成された診断書には付添看護を要する旨の記載はない(乙1ないし3,9)。また,診療報酬明細書からは治療機関による完全介護が行われていたことがわかる(乙7の2ないし9,乙8の1ないし4,乙10の1ないし6)。       (b) リハビリ開始直後の国立リハビリ病院では,1日4時間のリハビリが行われていた。原告X1は,担当者が割り振られ,その者の指導の下でリハビリが毎日行われていた。その後入院した治療機関においても同様に担当者が決められ,その指導の下で原告X1のリハビリが行われていた。そして,リハビリ中は,訓練士が原告X1に付き添い,リハビリが行われる部屋を移動するときも同訓練士が原告X1に付き添って,一緒に移動した。       (c) 原告X3は,リハビリ入院中,原告X1のそばにおいて同原告を励ますなどしていたが,医師からの付添指示はなかった。原告X3の付添いは母としての親愛の情からされていたものであり,原告X1の治療に必要不可欠なものではなく,賠償の対象となる付添いとは言えない。      e e(付添看護のためのホテル代)は否認する。        原告X1は近親者による付添看護を必要とせず,したがって,そのためのホテル代は本件事故と相当因果関係にある損害とはいえない。      f f(リハビリ用器具等)は認める。     (イ) (イ)(逸失利益)       労働能力の喪失程度は認め,その余は争う。       原告X1は,本件事故時19歳であり,大学を卒業するか否か,いかなる職に就くか等は不確定であり,大学卒業を間近に控え,就職先が決まっていたなどの事情はない。したがって,逸失利益算定のための基礎年収額は,平成13年男子大卒全年齢平均賃金によるのではなく,同年男子産業計・全年齢平均565万9100円を基準にすべきであり,これによれば,原告X1の逸失利益は9579万5547円になる。        (計算式)5,659,100円×100%×16.9277=95,795,547円     (ウ) (ウ)(将来付添費(介護料))について       原告X1の要介護状態が同原告の生存中継続することは認める。       また,介護料日額については,原告X3が67歳になるまでは近親者による介護によるものとし6000円とし,それ以降については段階的に職業介護費用を計上していくべきである。     (エ) (エ)(車椅子(2種類)及び歩行器代(将来分合む))について      a 否認又は争う。       (a) 2台の車椅子を併用する場合,耐用年数は1台を使い回す場合よりも長くなり,5年を下らない。         なお,原告X1は,平成13年1月9日,群馬県××町から,水まわり用車いす及び介護用ベッドについて日常生活用具給付券の交付を受けており,前記車椅子についても行政機関から補助を受けている可能性がある。       (b) 水まわり用車いすの必要性を認め,耐用年数は5年の限度で認める。         しかし,原告X1は,××町の補助により経済的負担をすることなく車いすを取得することができるから,本件事故による損害とはならない。       (c) 歩行器代は,取得費用を5700円の限度で,耐用年数を5年の限度で認める。     (オ) (オ)(介護ベッド及び付属品代)について      a 介護ベッドについて        必要性を認める。しかし,原告X1は,いわゆる寝たきりでなく,夜の睡眠と疲れたときの仮眠に介護ベッドを使用するだけであり,通常人と比べてベッドの劣化が速いとはいえない。したがって,耐用年数は短くても10年である。        また,介護ベッドの取得については,××町から原告X1に対し,補助として15万9200円が支給されている(甲48)。      b 付属品代について        耐用年数は,ベッド用バーが10年,ベッド用マットが5年であり,テーブルは,食事は起きて部屋のテーブルで取っているから使用の頻度は少なく10年とみるべきである。     (カ) (カ)(自動採尿器)は認める。     (キ) (キ)(住宅改造費)について       庭をアスファルト舗装しているが,原告X2,原告X3の自動車が駐車され,その効用は同原告らが享受しているから,本件事故と相当因果関係にある損害とはならない。       原告X1の部屋には便所及びシャワーが新たに設置されているが,同原告は家族が使う浴室を使用し,シャワーを使用していない。       また,便所は1階に2つ設置する必要はない。       原告X1の部屋の南側にウッドデッキが作られているが(乙5,8頁),このウッドデッキは,原告X1の同所からの出入りに供されているが,原告X2及び原告X3もその効用を享受しているから,設置費用40万4500円の3分の2に相当する分は本件事故と相当因果関係にある損害とはいえない。       その余についても,浴室便所の改造,バリアフリー化,手すりの設置など家族全員がその効用を享受できるものであるから,その工事費の2分の1を損害額から控除すべきである。    イ イ(原告X2及び原告X3の損害)について      争う。 第3 当裁判所の判断  1 原告X1の受傷から症状固定時までの経緯,看護状況及びその後の経過,本件後遺障害の具体的内容,付添介護の状況等について   (1) 受傷から症状固定時までの経緯,看護状況及びその後の経過     前記前提事実及び証拠(甲36,38,45,乙1の1・2,原告X3)によれば,次の事実が認められる。    ア 原告X1は,平成11年11月2日,本件事故により脳幹挫傷の傷害(本件傷害)を負い,同日,総合太田病院に入院し,平成12年2月28日,同病院を退院した。      原告X1は,総合太田病院において25日間,強度の意識障害のある状態にあった。原告X1の初診時の意識レベルは,JCS(ジャパン・コーマ・スケール)300,GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)E1/V1/M5の合計7点にあり,瞳孔は散大し,対光反射は消失していた(乙1の1・2)。JCSは,3-3-9度方式とも呼ばれるものであり,①刺激しないでも覚醒している状態を1桁で,②刺激すると覚醒する状態(刺激をやめると眠り込む)を2桁で,③刺激をしても覚醒しない状態を3桁で表し,それぞれの群を,簡単な質問(1桁の場合),覚醒に要する刺激の強さ(2桁の場合),痛み刺激に対する運動反応具合(3桁の場合)によりさらに3段階に分け,意識清明な場合を"0"で表現し,0から300までの合計10段階で意識障害(覚醒度の障害)を評価するものであって,刺激をしても覚醒しない状態は,痛み刺激に対し,払いのけるような動作をするものが100,痛み刺激で少し手足を動かしたり,顔をしかめるものが200,痛み刺激に反応しない状態が300とされる。そして,GCSは,意識レベルを①開眼(E),②言葉による応答(V),③運動による応答(M)の三者の要素をそれぞれ独立に観察し,その合計点により意識レベルを表現するものであって,15点(E4,V5,M6)が最高点で意識清明となり,3点(E1,V1,M1)が最低点で深昏睡とされる(甲45,「標準脳神経外科」)。原告X1は,前記のとおり,初診時にはJCS300であり,その後,1週間以上JCS200という重い意識障害が継続した(甲46)。      原告X3は,入院中,毎日,原告X1に付き添い,原告X2と共に,原告X1に対して手を握ったり手足を揉んだりするなどして身体的刺激を与えると共に,音楽を聞かせるなどして感覚的刺激を与え,呼びかけを続けた。そして,原告X1は,受傷から25日後,これに反応し,覚醒するようになった。      なお,原告X3は,本件事故当時,週二,三回,1回当たり5時間程度の割合で,パート職として英会話教室の講師をしていたが,退職し,原告X1の付添看護に努めた。また,原告X2も同人の父が経営する会社において就労していたが,原告X1が重度の意識障害下にあるうちは会社を休み,原告X3と共に毎日総合太田病院に通った。    イ 原告X1は,平成12年2月28日,リハビリを行うため埼玉県所沢市にある国立リハビリ病院に転院した。原告X2及び原告X3は,原告X1にリハビリ中心の治療を受けさせるため,設備,スタッフが充実している病院として同病院を選択し,原告X1を入院させた。      原告X1は国立リハビリ病院に平成12年9月8日まで入院し,リハビリを行った。その間,原告X3が原告X1に付き添った。原告X1はリハビリ中,精神的に不安定になり,また,高次脳機能障害により自己の病態認識を適正に行えず,リハビリの必要性を理解しなかったことから,原告X3が付き添い,リハビリ補助を行い,食事介助や身の回りの世話をした。また,同病院が所沢市にあり群馬県邑楽郡××町にある自宅から通うことができなかったため,原告X3は所沢市内にあるビジネスホテルに泊まり,平日は同ホテルから同病院に通って原告X1に付き添い,土日はリハビリが休みであったため,原告X2に車で迎えに来てもらい,原告X1と共に自宅に戻り,自宅において同原告の付添介護に努めた。    ウ 原告X1は,平成12年9月8日,国立リハビリ病院を退院して自宅に戻り,同月28日,埼玉県上尾市にある埼玉リハビリセンターに入院した。同病院は,自宅から車で片道1時間強の距離にあり,通いが可能であったことから,原告X3は毎日自宅から同センターに通い,原告X1に付き添った。    エ 原告X1は,平成12年12月21日,埼玉リハビリセンターを退院した。その際,原告X2と原告X3は,原告X1の主治医から同病院に隣接している厚生施設への入所を勧められたが,施設入所に抵抗があったため,他のリハビリ病院を探した。そして,その後受診した東京都立リハビリテーションセンター医師の助言を受け,自宅待機を経させた後,平成13年2月2日,原告X1を神奈川リハビリ病院に入院させた。      原告X3は,神奈川リハビリ病院において原告X1に付き添ったが,同病院が厚木市にあり自宅から通うことができなかったため,厚木市内にあるビジネスホテルに泊まり,平日は同ホテルから同病院に通い,土日は原告X2に車で迎えに来てもらい,原告X1と共に自宅に戻り,自宅において同原告の付添介護に努めた。      そして,原告X1は,平成13年5月23日,神奈川リハビリ病院を退院し,その際,症状固定の診断を受けた。    オ その後,原告X1は,神奈川リハビリ病院に併設されている◇◇ホームへの入所を経て再び神奈川リハビリ病院を受診し,同病院において通院によるリハビリを行うようになった。原告X3は,厚木市にあるマンションを借りて原告X1と住み,平日は同市にある神奈川リハビリ病院に通い,土日は原告X2に車で迎えに来てもらい,原告X1を連れて自宅に戻り,自宅において同原告の付添介護に努めている。   (2) 本件後遺障害の具体的内容及び付添介護の状況等について     証拠(甲4,5,19ないし23,36,38,40,41,原告X3)によれば,次の事実を認めることができる。    ア 原告X1は,平成13年5月23日,症状が固定し,知能低下,記憶低下,両側前頭葉の萎縮を内容とする高次脳機能障害及び左片麻痺,両上下肢の失調症状を内容とする四肢体幹機能障害を後遺し,自賠責保険の後遺障害等級認定を行う自動車保険料率算定会により,1級3号に該当する旨認定された(甲5)。    イ 原告X1にみられる後遺障害のうち四肢体幹機能障害は,左方麻痺,両上下肢の失調障害を内容とするものであり,同原告は,左半身は完全麻痺の状態にあり,右半身にも振戦が発現し,歩行ができず,日常生活における洗面や食事,入浴といった動作につき介護を必要としている。また,食事の支度や掃除洗濯など,生活に不可欠に付随する作業(日常生活関連活動=IADL)は行うことができない。    ウ 原告X1にみられる後遺障害のうち他のものは高次脳機能障害である。     (ア) 高次脳機能障害において典型的にみられる症状は,全般的な認知障害と人格変化であり,認知障害としては,記憶・記銘力障害,集中力障害,遂行機能障害,判断力低下,病識欠落など,具体的には,新しいことを学習できない,複数の仕事を並行して処理できない,行動を計画し実行することができない,周囲の状況に合わせた適切な行動ができない,危険を予測・察知できないなどがあり,人格変化としては,感情易変,不機嫌,攻撃性(易怒性),暴言・暴力,幼稚,羞恥心の低下,多弁(饒舌),自発性・活動性の低下,病的嫉妬・ねたみ,被害妄想などといった症状があって(甲20,「自賠責保険における高次脳機能障害認定システムについて」(高次脳機能障害認定システム確立検討委員会報告書)),高次脳機能障害の患者については,次の指摘がされている。      a 生活を管理できない,対人関係を維持できない,社会参加ができない,障害を自分で自覚できないなどが問題になる。また,就学や就労ができず,家庭での時間を無為に過ごすことになり,家族ともども社会的に孤立しがちになり,家庭内での軋轢が高じて本人だけでなく家族への負担も大きくなる。(甲19,「わが国における高次脳機能障害リハビリテーションの課題」(大橋正洋))      b 新しいことを学習できなくなるので,社会復帰が困難になり,重症の記憶障害では,援助者なしに日常生活を送ることができなくなる。すなわち,言われたことをその場で聞き返されれば答えることができるが,少し時間がたってから尋ねられると覚えておらず,したがって約束や予定を覚えることができない。あるいは,これから何をする予定なのか,昨日は何をしたのかなどを思い出せない。そして,このような生活上の困難が多いにもかかわらず,本人は記憶障害が原因で失敗したことすら忘れ,このために障害を自覚していないことがある。(甲21,「脳外傷リハビリテーションマニュアル」(神奈川リハビリテーション病院「脳外傷リハビリテーションマニュアル編集委員会」)      c 脳外傷患者の社会的・職業的予後は知的機能とくに認知障害,すなわち,言語・視覚認知,記憶障害が大きな因子となる。脳外傷患者の障害像は身体運動機能障害のみにとどまらず,知的機能や行動の障害など,いわゆる高次脳機能障害がむしろ問題になることが多い。脳外傷では記憶障害が特に大きな比重を占めるところ,記憶障害はリハビリテーション過程で学習機能の障害となるために大きな阻害因子として作用する。知的障害とともに行動異常は頭部外傷の特徴的な症状であり,衝動性・易興奮性,無関心,性的異常,二次的うつ状態と自閉(ひいては自殺)といった症状がみられ,中でも,衝動性・易興奮性については,ちょっとしたことや何かがうまくいかないときにすぐに激怒してしまうこと,その怒りの対象は情緒不安定のときに偶然その場に居合わせた人になってしまうこと,他人に暴力を振るっていても,ほとんどの場合患者は後悔していないこと,これを反省させようとしても,むしろいっそう興奮させてしまうことがあり,患者の衝動行動は介護者や家族にとって最も耐え難いものとなっている。(甲22,「臨床リハビリテーション・頭部外傷症候群・後遺症のマネージメント」(岩倉博光他編集))      d 基本的な日常生活活動(ADL:食事,便所を使う,家の中を移動する等)は70パーセント以上が自立しているのに対し,外出,洗濯,買い物等,社会的な活動である日常生活関連活動(IADL)の障害が著明である。身体障害者全般と比較すると,基本的な日常生活活動(ADL),日常生活関連活動(IADL)ともに自立度が低く,特に日常生活関連活動(IADL)に関しては介護度が重篤な傾向がある。介護にあたっては,身体面の負担だけでなく,精神面の負担が大きい。入浴介助や車椅子等へ乗り移る際の介助のような身体介助よりも,常に見守り,教示を要する高次脳機能障害者に対する介助の方が介護者の精神的負担は大であり,肉親・配偶者に過大な負担を強いている。(甲23,「平成11年度高次脳機能障害者実態調査報告書」(東京都高次脳機能障害者実態調査研究会))。     (イ) 原告X1の具体的症状      a 原告X1には,記憶障害があり,直近の会話,自分がしたこと,物を置いた場所を覚えられず,毎日のルーティンワークとなっている予定を覚えられない。会話において話したことを覚えられないため,同じことを繰り返し説明する必要があり,話が先に進まないことが多くみられる。また,会話したこと自体の記憶がまったくない場合もあれば,記憶が完全にある場合もあり,部分的に記憶が抜け落ちている場合もある。部分的に抜け落ちている場合などは,周囲の者がその旨指摘しても,他の部分の記憶があることもあって原告X1が混乱したり,怒り出すことがある。原告X1はリハビリを行っているが,毎日繰り返される予定も覚えることができないため,時間割が一定していても,介護者が指示してやる必要があり,現状では,母である原告X3が指示している状況にある。      b また,原告X1には,遂行機能障害,すなわち,指示されなければ行動できない,物事の計画を立てられない,最後までやり遂げられない,すべきことを判断してすることができないという障害があり,その日にすべき行動を想定し,その準備をすることができず,介護者が,原告X1がすべきことを考え,同原告に声をかけてやる必要がある。      c さらに,原告X1は,自らの病態認識が不十分で,下肢が麻痺ないし拘縮しているため歩行がほとんどできないにもかかわらず,自分はもっと歩けると考え,転倒の危険を顧みずに歩き出してしまうことがある。そのため,介護者は,原告X1がこのような危険を犯さないように看視する必要がある。      d 加えて,原告X1には,高次脳機能障害による人格変化がみられる。原告X1は,何か気に入らないことがあるとすぐに怒り出し,暴言を吐いたり暴力を振るったりする傾向があり,また,物事に拘泥する傾向がある。些細なことでも一旦引っかかるとそこから離れられなくなり,周囲の状況等に関わらずいつまでもそれにこだわっているので,介護者がうまく原告X1をなだめてやる必要がある。    エ 付添介護状況     (ア) 原告X1は,左半身がほぼ完全麻痺の状態にあり,上肢についてはたばこを指で挟むことは可能であるが,落としてしまうこともあり,関節が拘縮していて自由な運動は不可能である。右半身については,下肢は拘縮及び麻痺があり,上肢は概ね自由に動くが,振戦が頻繁に出現し,振戦が出たときにはこれを使って食事をすることはできず,普段かろうじて可能な車椅子への移乗もできなくなる。      a 原告X1は,起床すると車椅子に自力で移乗して部屋から出てくる。小便は自力で行うことができる。        原告X1は,左半身がほぼ完全麻痺の状態にあり,両手を使って車椅子をこぐことはできないが,手摺りを取り付けた部屋などにおいては,右手で手すりに掴まり,車椅子を動かすことができる。そして,便所は,車椅子のまま入ることができ,手摺り等が設置されていれば,自力で車椅子から便座に乗り移ることができる。しかし,移乗の際に転倒する可能性があり,また,病態失認のため無理に歩行して便所まで行こうとして転倒することがある。そのため,小便時には身体的介護は不要であるが,介護者は原告X1がどのような行動を行おうとしているかに注意し,これを看視する必要がある。        大便は,排便後の処理を自力ですることができず,介護者が原告X1の尻を拭いてやることが必要となる。      b 着替えについては,服の着脱そのものは自力で行うことができる。しかし,服を出してきて準備することはできないため,原告X3が着替えを準備して手渡してやらなければならない。また,着脱そのものは可能ではあっても,右手しか十分に動かないため,時間がかかり,ボタンやファスナーなどはしめられないことがあって,そのような場合は原告X3が介助して着替えを行っている。      c 食事は,右手を使って自分でとるが,食事の支度をすることはできない。左手で食器を持つことができないから,汁物にはストローをつけてやる必要があり,スプーンやフォークは自助具にセットして渡してやるなどの細かな介助が必要になる。後片付けもすることはできず,介護者が行う。      d 洗面も介助が必要であり,歯磨き粉をつけた歯ブラシを手渡してやり,ブラッシングを終えたら水を入れたコップを渡してやる。洗顔については,介護者が原告X1の顔に石鹸をつけて洗ってやる。髭剃りは右手だけでこれを行うことは困難であり,また知能低下があり,誤って皮膚を傷つけてしまう危険があり,介護者が行う。      e 入浴時には,頭や身体を介護者が洗う。身体を洗う際には,麻痺した手足を介護者が持ち上げる必要がある。      f 原告X1は,前記aのとおり,小便を自力で行えるが,転倒の危険があり介護者が見守る必要がある。加えて,原告X1は夜中も頻繁に便所に行くため,介護者である原告X3は,その都度起きだして原告X1の見守りを行う。そのため,十分な睡眠がとれず,それも原告X3に対する加重な負担となっている。     (イ) また,高次脳機能障害があるため,看視と声かけを必要とする状況がみられる。      a 原告X1は,自分ですべきことを考えて行動することができないため,身体的には自分でできることでも,介護者が一つ一つ声をかけて指示をしてやる必要がある。自宅内での日常生活動作のほか,リハビリ病院にリハビリに行った際も,予定などを指示し,声かけをする必要がある。      b 原告X1には記憶障害があるため,その記憶の欠落をフォローするために介護者が付き添い,看視する必要がある。原告X1は喫煙をするが,火をつけたたばこを置き忘れてしまうことがあるため,火災防止のため看視する必要がある。加えて,夜中はたばこを隠しているが,原告X1が見つけ出して喫煙し,火をつけたまま置き忘れてしまう可能性があるため,原告X3は,原告X1が小便に起きるたびに起きだし,原告X1が眠るまで同原告を看視している。        また,原告X1は夜中起きた後,なかなか寝付かないときがある。原告X3は,原告X1が起きている限り看視を怠ることができないため,同原告を寝かせようとするが,原告X1には,後記dのように何か気に入らないことがあるとすぐに怒り出す傾向(易怒性)があるため,原告X3は寝かせ付けることだけにおいても相当の神経を使う状況がある。      c 原告X1には病態失認があり,下肢の拘縮ないし麻痺を十分に認識しないまま,突然歩こうと試みて転倒することがあり,これを避けるための看視を必要としている。      d さらに,原告X1には人格変化があり,易怒性,拘泥する性格が顕著にみられる。原告X1は,時,場所を選ばず,大きな声を出して怒り出すことがあり,また,家族,特に介護の中心を担い,同原告と長い時間を過ごしている原告X3に対し,物を投げつけたり,殴る等の暴力を振るうことがある。高次脳機能障害につき理解していない者とのコミュニケーションにおいては配慮を要し,原告X1の病態を理解し,これに対応できる介護者が同原告を見守る必要がある。  2 前記1の認定事実を前提にして争点(本件事故により原告らに生じた同事故と相当因果関係にある損害)について判断する。   (1) 原告X1の損害について    ア 治療関係費     (ア) 入院雑費 66万0400円        (原告主張額76万2000円)       原告X1が,本件障害の治療,リハビリのため,総合太田病院,国立リハビリ病院,埼玉リハビリセンター,神奈川リハビリ病院にそれぞれ入院し,その期間が508日間であることは当事者間に争いがない。       1日当たりの入院に伴う雑費は1300円の限度で本件事故と相当因果関係にある損害と認める。          (計算式)1,300円×508日=660,400円     (イ) 通院交通費 46万2760円              (原告主張額と同額)       原告X1は,総合太田病院において25日間,強度の意識障害のある状態にあったこと,その間,原告X3は,毎日,原告X1に付き添い,原告X2と共に原告X1に対して手を握ったり手足を揉んだりするなどして身体的刺激を与えると共に,音楽を聞かせるなどして感覚的刺激を与えて,呼びかけを続け,原告X1がこれに反応して,覚醒するようになったこと,国立リハビリ病院に転院した後は,原告X1はリハビリを中心とした治療を受けたが,高次脳機能障害により自己の病態認識が不十分であり,リハビリの必要性を理解しなかったことから,原告X3が付き添い,リハビリ補助を行い,その他,食事介助や身の回りの世話をする必要があったこと(前記1(1))を考慮すれば,総合太田病院入院時から症状固定時まで,原告X1には原告X3による付添看護が必要であったといえるから,そのために必要な交通費の支出は本件事故と相当因果関係にある損害と認められる。       そして,証拠(甲7,37)及び弁論の全趣旨によれば,原告X1の付添看護をするために交通費として46万2760円が支出されたことが認められる。     (ウ) 付添看護費(症状固定前) 341万4000円                (原告主張額455万2000円)       原告X1について,前記(イ)のとおり付添看護の必要性が認められる。       前記(1)の認定事実によれば,原告X3は原告X1の症状が固定する神奈川リハビリ病院退院時まで,569日間にわたり,同原告に付き添い,その看護をしたことが認められる。       そして,1日当たりの付添看護費は,付添看護がリハビリ病院内における介護を中心とするものであったことを考慮し,6000円と認める。(計算式)6,000円×569日=3,414,000円     (エ) 付添看護のためのホテル代 49万3420円                     (原告主張額と同額)       前記1(1)によれば,原告X1が埼玉県所沢市にある国立リハビリ病院及び神奈川県厚木市にある神奈川リハビリ病院に入院していたとき,原告X3は自宅から同各病院に通うことができず,平日は同市内のホテルに泊まる必要があったことが認められる。       そして,証拠(甲7,37)及び弁論の全趣旨によれば,原告X3は,原告X1が前記各病院に入院している間の宿泊費として合計49万3420円を支出したことが認められる。     (オ) リハビリ用器具等 47万0400円                 (原告主張額と同額)       当事者間に争いがない。    イ 逸失利益 1億0901万8580円      (原告主張金額1億1519万1305円)      前記前提事実及び証拠(甲36,原告X3)並びに弁論の全趣旨によれば,原告X1は,昭和55年○月○○日生まれの男子であり,本件事故時は□□大学商学部経営情報学科1年に在籍し,友人は多く,勉強もよくしていたことが認められるが,同認定事実によれば,原告X1は,平成15年3月同大学を卒業し,同年4月に就職して67歳に達する平成59年4月まで44年間にわたり年間平均680万4900円(平成13年賃金センサス男子大卒全年齢平均賃金)の収入を得ていたことについて高度の蓋然性が認められる。      そして,原告X1の逸失利益を前記年収額を基礎資料とし,症状固定時(平成13年5月23日)から就労開始可能時(平成15年4月)までの年数が約2年であることを踏まえた上,中間利息控除をライプニッツ係数を用いて算出すると次の計算式のとおり1億0901万8580円となる。       (計算式)6,804,900円×100%×(17.88-1.8594)=109,018,580.9円    ウ 将来付添費(介護料) 7852万7339円           (原告主張額7945万5147円)     (ア)a 前記1の認定事実及び弁論の全趣旨によれば,原告X1は,将来にわたり,全面的な介護が必要であること,その介護内容は,同原告に四肢体幹機能障害のほか,高次脳機能障害があることから,常に看視,呼びかけが必要であり,同障害による性格変化もあって介護者に加重な負担がかかるものであること,症状固定日である平成13年5月23日から本件口頭弁論終結時まで原告X1の母である原告X3が原告X1に付き添い,その介護にあたってきたことが認められる。        また,証拠(甲36,38,原告X3)によれば,原告X3は,本件事故前,特技である英語を生かし,週二,三回,1回あたり5時間程度の割合で,英会話教室の講師をしていたこと,今後も週に二,三回程度は自らが身につけている知識,技術を生かして就労し,生徒との触れ合いを通して自己実現を図りたいと考えていること,原告X1の付添介護が原告X3にとり加重な負担となり,同原告の心身の健康を損なうおそれがあること,以上の事実が認められる。      b 前記aの認定事実を前提にすれば,今後の付添看護については,年間120日間程度,職業介護人による介護を取り入れたとしても,それに関する費用はすべて本件事故と相当因果関係にある損害と認めるのが相当である。        また,原告X1に必要な付添介護の内容を考慮すれば,原告X3による付添介護ができるのは同原告が通常就労可能な67歳に達する時までとし,それ以後の付添介護については,職業介護人による介護によったとしても,それに関する費用はすべて本件事故と相当因果関係にある損害と認めるのが相当である。      c 介護料について       (a) 近親者介護料         原告X1に全面的な介護が必要であること,その介護内容は,同原告に四肢体幹機能障害のほか,高次脳機能障害があることから,常に看視,呼びかけが必要であり,同障害による性格変化もあって介護者に加重な負担をかけるものであることを考慮し,1日1万円とするのが相当である。       (b) 職業人介護料         原告らの自宅のある群馬県内の職業介護人の利用料金が,日勤の午前9時から午後5時までが8855円,早朝の午前6時から午前8時までが1時間1575円,昼間の午前8時から午後6時までが1時間1265円,夜間の午後8時から午後10時までが1時間1575円であることは当事者間に争いがなく,このほか実費(交通費)として1日1000円程度必要となることは証拠(甲9の1ないし3)及び弁論の全趣旨により認めることができる。      d 介護料の積算(症状固定時における現価)       (a) 症状固定日(平成13年5月23日)から本件口頭弁論終結日(平成16年7月21日)までの約3年間の介護料         次の計算式により993万9680円と認められる。          (計算式)10,000円×365日×2.7232(3年のライプニッツ係数)=9,939,680円       (b) 本件口頭弁論終結日から原告X3が67歳に達するまでの約19年間の介護料         前記c(b)の事実及び証拠(甲36,38,原告X3)によれば,原告X3が英会話講師の仕事をする場合,労働時間が5時間,通勤,準備等に要する時間が2時間であり,職業介護人の介護時間として7時間を必要とすること,職業介護人の時間当たりの利用料金は,午前8時から午後6時までは1時間1265円であり,そのほかに実費として1000円程度の交通費が必要になり,日額は少なくても9500円であることが認められる。         また,原告X3が仕事に出る場合,その前後の時間は自ら原告X1の介護に当たるから,近親者介護料として2000円を認めるのが相当である。         以上を前提にして本件口頭弁論終結日から原告X3が67歳に達するまでの約19年間の介護料を求めると,次の計算式により3998万4434円となる。          (計算式)(10,000円×245日+11,500円×120日)×(13.163(22年のライプニッツ係数)-2.7232(3年のライプニッツ係数))=39,984,434円       (c) 原告X3が67歳に達した日以降の分         午前9時から午後5時までの日勤に加え,朝食,夕食時,入浴時の介護が必要となることから,日勤分(午前9時から午後5時)8855円に,午前8時から午前9時及び午後5時から午後7時までの時間給で計算される利用料金合計4415円及び交通費相当額を加え,日額は1万4000円と認められる。         以上を前提に原告X3が67歳に達した日以降の分を求めると,次の計算式により2860万3225円となる。          (計算式)14,000円×365日×(18.7605(57年のライプニッツ係数)-13.163(22年のライプニッツ係数))=28,603,225円    エ 車椅子及び歩行器代(いずれも将来分を含む。)470万8401円(原告主張額730万2470円)     (ア) 前記1の認定事実及び証拠(甲10の1,2,甲11,12,36,38,原告X3)によれば,原告X1は,立つことはできるが,歩行はほとんどできず,外出の際には車椅子を利用し,また,屋内においても,基本的には車椅子で移動すること,車椅子は,介護の効率化,省力化のために室内用,屋外用の2台が必要であること,車椅子は,原告X1の体型に合わせる必要があり,オーダーメイドであって,1台46万4000円であること,耐用年数は2台を異なる時間において使用していることから5年であること,原告X1は,ごくわずかな距離であれば,支えがあれば歩行することができ,屋内での多少の移動をする際には歩行器を用いること,歩行器は1台3万2700円であり,耐用年数は使用頻度からいって5年であること,原告X1が入浴する際には,水まわり用車椅子が必要になること,水まわり用車椅子は,1台9万円であり,耐用年数は3年であることが認められる。     (イ) 原告X1は,前記(ア)の車椅子(室内用,屋外用,水まわり用)及び歩行器を取得したが,そのうち,水まわり用車椅子及び歩行器については公的福祉制度により,前者については全額,後者については5700円を超える部分について補助を得ていることは当事者間に争いがない。したがって,同各介護用品代金のうち,同補助分を控除した残金93万3700円の支出をもって本件事故と相当因果関係にある損害と認める。       また,原告X1は,前記介護用品の耐用年数が経過する毎にこれを買い換える必要があるから,その購入費用を本件事故と相当因果関係にある損害と認めるのが相当であり,その症状固定時の現価は次の計算式により377万4701円となる。      a 耐用年数5年のもの(室内用,屋外用車椅子,歩行器)         (計算式)(464,000円×2台+32,700円)×(0.7835+0.6139+0.481+0.3768+0.2953+0.2313+0.1812+0.142+0.1112+0.0872+0.0683)=960,700円×3.3717=3,239,192.19円      b 耐用年数3年のもの(水まわり用車椅子)         (計算式)90,000円×(0.8638+0.7462+0.6446+0.5568+0.481+0.4155+0.3589+0.31+0.2678+0.2313+0.1998+0.1726+0.1491+0.1288+0.1112+0.0961+0.083+0.0717+0.0619)=90,000円×5.9501=535,509円     (ウ) なお,前記(イ)によれば,原告X1は介護用品取得について,公的福祉制度による補助を受けていることが認められるが,将来において公的福祉制度の適用を受けられるか否か,また,これが受けられるとしてもその内容等は現時点において確定することはできないから,将来,原告X1に公的福祉制度の適用が受けられる可能性があることを将来の介護用品取得に関する損害算定に当たって考慮することは相当でない。    オ 介護ベッド及び付属品代 133万4399円            (原告主張額149万3619円)     (ア) 前記1の認定事実及び証拠(甲13ないし15,36,38,原告X3)によれば,原告X1には,介護用ベッド,ベッド用バー,マット及びベッドに付属させるテーブルが必要であること,介護用ベッドの価格は30万円で,その耐用年数は8年であること,バーは4万円で,その耐用年数は8年であること,マットは4万円で,その耐用年数は3年であること,テーブルは4万8000円で,その耐用年数は5年であることが認められる。     (イ) 原告X1は,前記(ア)の各介護用品を取得したが,そのうち,介護用ベッドについては公的福祉制度により15万9200円分の補助を得ていることは当事者間に争いがない。したがって,同各介護用品代金のうち,同補助分を控除した残金26万8800円の支出をもって本件事故と相当因果関係にある損害と認める。       また,原告X1は,前記介護用品の耐用年数が経過する毎にこれを買い換える必要があるから,その購入費用を本件事故と相当因果関係にある損害と認めるのが相当であり,その症状固定時の現価は次の計算式により106万5599円となる。      a 耐用年数8年のもの(介護用ベッド,バー)         (計算式)(300,000円+40,000円)×(0.6768+0.4581+0.3101+0.2099+0.142+0.0961+0.0651)=340,000円×1.9581=665,754円      b 耐用年数5年のもの(テーブル)         (計算式)48,000円×(0.7835+0.6139+0.481+0.3768+0.2953+0.2313+0.1812+0.142+0.1112+0.0872+0.0683)=48,000円×3.3717=161,841.6円      c 耐用年数3年のもの(マット)         (計算式)40,000円×(0.8638+0.7462+0.6446+0.5568+0.481+0.4155+0.3589+0.31+0.2678+0.2313+0.1998+0.1726+0.1491+0.1288+0.1112+0.0961+0.083+0.0717+0.0619)=40,000円×5.9501=238,004円    カ 自動採尿器 7万8000円           (主張金額と同額)      当事者間に争いがない。    キ 住宅改造費 1051万3311円              (主張金額と同額)      証拠(甲39,乙4,14,原告X3)によれば,原告X2は,平成12年12月6日,原告らの××町の自宅を原告X1の車椅子での生活や同原告の付添介護に対応させるため,B株式会社(以下「B」という。)にバリアフリー仕様改修工事を見積もらせ,同工事を実施したこと,同工事の内容は,①洋室15畳,便所,シャワー室,浴室の改修工事,②電気設備工事,③給排水,給湯,衛生設備工事,④各室段差改修工事,⑤スロープ,手摺り設置工事,アスファルト舗装工事であり,具体的には,原告X1が便所に行く便宜のため及びリハビリ用スペースを確保するために1階の物干し場があった位置に15畳の洋室を設け,同所に便所及びシャワー室を設置し,入浴の際に水まわり用車椅子を使用する原告X1及び同原告の身体を洗ったりする介護者の立ち回りスペースを確保するため,1階の納戸であった部分を浴室に当て,浴室・更衣室の拡張を図り,これに伴い,従前の浴室をつぶして食堂を拡張し,食堂内に車椅子で移動できるスペースを確保し,また,原告X1が家の中を車椅子で移動することができるようにするために,各部屋間の段差を解消し,廊下をフローリングにして,バリアフリー化を図り,その一環として建物中央の和室を洋室にして同室も床をフローリングにしたこと,玄関から室内にかけて高低差があるため,庭から玄関までと玄関内右手から原告X1の部屋までスロープを設け,玄関内の部屋まで続くスロープに手摺りを設置したこと,玄関から出た後も庭を車椅子で移動できるようにするため,庭をアスファルト舗装したこと,前記①については合計447万5940円,同②については56万0088円,同③については304万4000円,④については135万円,⑤については58万2650円,合計1001万2678円,消費税込みで1051万3311円と見積もられたこと,原告X2は,前記改修工事を行うため,Bとの間で,同工事の前記見積りに含まれない建物の一部解体工事,床暖房工事等を含めた増改築工事契約を締結し,請負代金額を2209万5238円(消費税込金額2320万円)としたこと,前記見積金額には建物中央の和室を洋室にする際のフローリング費用を除いた内装工事費は計上されていないことを認めることができるが,同認定事実によれば,前記改修工事は,いずれも原告X1の生活及びその介護にとり不可欠なものであり,その費用も相当なものであって,前記消費税相当額を含めた見積改修工事費の全額を本件事故と相当因果関係にある損害と認めるのが相当である。      なお,被告は,原告X2や原告X3などの家族も前記改修工事による便益を享受しているから,その分の減額をすべきである旨主張する。しかし,家族による便益享受は,あくまでも原告X1に必要な工事がされた結果,副次的に生ずるものに過ぎないから,原告X2の損害を認定する上でその分の控除をすることは相当でない。    ク 慰謝料 3160万円      (原告主張額3360万円)     (ア) 傷害慰謝料 360万円(原告主張額と同額)       入院当初の状況,長期意識障害,本件入院期間が508日と長期にわたっていること,その他通院期間があることを考慮し,傷害に関する慰謝料額は360万円と認める。     (イ) 後遺障害慰謝料 2800万円(原告主張額3000万円)       本件後遺障害の内容,原告X1の年齢等を考慮し,後遺障害慰謝料は2800万円と認める。    ケ 損害填補後の損害額合計 2億0859万5868円      原告X1は,同原告に生じた損害の填補として自賠責保険から3000万円(被害者請求),任意保険から268万5142円,合計3268万5142円の填補を受けた(当事者間に争いがない。)。       (計算式)241,281,010円(前記アないしクの合計)-32,685,142円(填補金額合計)=208,595,868円    コ 弁護士費用 2000万円      (原告主張額2216万8929円)      本件事案の内容,難易,請求額,認容額,訴訟追行内容などを考慮すれば,弁護士費用のうち2000万円をもって,本件事故と相当因果関係にある損害と認めるのが相当である。    サ 認容額合計 2億2859万5868円      (原告主張額2億4385万8219円)   (2) 原告X2,原告X3の損害 各330万円                 (原告主張額と同額)    ア 慰謝料 各300万円(原告主張額と同額)      原告X1は本件事故により後遺障害等級1級という死にも比肩すべき重篤な障害を後遺し,その父である原告X2及び母である原告X3は多大な精神的苦痛を受けたことを考慮し,慰謝料は同原告らそれぞれにつき300万円と認める。    イ 弁護士費用 各30万円(原告主張額と同額)      本件事案の内容,難易,請求額,認容額,訴訟追行内容などを考慮すれば,弁護士費用のうちそれぞれ30万円をもって,本件事故と相当因果関係にある損害と認めるのが相当である。 第4 結語    以上によれば,本訴請求のうち,原告X1の請求は,被告に対し2億2859万5868円及びこれに対する平成11年11月2日から支払済みまで年5分の割合による金員並びに452万4657円の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないから棄却し,原告X2及び原告X3の請求は,いずれも理由があるから全部認容し,主文のとおり判決する。     前橋地方裁判所高崎支部            裁判官  廣田泰士

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